第2回合宿2日目/スペシャリスト育成プログラム2018

最終更新: 2019年3月15日

- いよいよ始まったミニプログラムコンテスト!


2日目は、会場向かいのトロピカルビーチの散策と朝食の後、09:00からミニプロコンの発表順を決める抽選が行われ、以下の順で発表しました。


1、Maki(神戸情報大学院大学/R. Nirinarisantatra)

 →Use of SDN to address REN operation issues

2、琉大GFB(琉球大学/与那嶺 東、亀沢 佑一、松田 意仁)

 →スマートフォンを用いた教育現場の支援

3、3 ping tee(国際電子ビジネス専門学校/多和田 鶴稀、宮城 達也、安次富 諒)

 →授業支援システム

4、R2p(国際電子ビジネス専門学校/當間 崇智、北川 優尚)

 →セキュリティ学習支援ツール

5、それ、仕様です。(琉球大学/玉榮 宏祐樹、大城 輪子、小嶺 愛紀菜)

 →究極に動きたくない人による、究極に動かないための遠隔操作リモコン

6、チーム世界征服(NECネッツエスアイ株式会社/三木 俊介、長谷川 俊夫)

 →受発注精度高度化システム

7、チーム九産大Quest(九州産業大学/本田 遼也、加納 槙之佑、大平 剛)

 →ルータ設定大規模実習環境 自動構築システムの開発

8、pwd(NTTコミュニケーションズ・NTTコムエンジ/能登 拓也、石井 佑樹、吾藤 秀亮)

 →情報共有・蓄積ツール(仮)


各チームは30分の持ち時間を使って、プレゼン、デモ、質疑応答を行います。発表は、メンターやアドバイザーで構成する審査委員により、テーマ(新規性、独創性、有用性)、実装(完成度、難易度)、発表(資料、オーラル)の視点から、5段階の採点およびコメントによる評価を受けます。その結果、1位から6位までに入賞したチームには、上位から順に選択できる副賞(施設見学やトップエンジニアとの対談など希望の体験ができる体験券、希望技術書1万円分、さくらインターネットクラウド利用券、ラズパイスターターキット、技術書5冊、NTT海底ケーブル敷設船見学券)が贈られます。


会場に集まった人々が見守るなか、口火を切ることになった<<Maki>>は「Use of SDN to address REN operation issues」をテーマに発表しました。これは、チームメンバであるR. Nirinarisantatraの出身国マダガスカルで運用中の国家敎育研究ネットワーク(NREN)を、SDNにより高度化することに挑むものです。NRENはいま、インターネットゲートウエイが1つしかない、ルーティング設定が手動、運用人材不足といった課題を抱えており、また運用者からは設定やモニタリングをセンタで一括して行いたいとの要望が出ています。そこで、柔軟性、遠隔制御性、プログラム性、コスト性などに優れたOpenFlowスイッチを導入することで、これらの課題の解消と運用性の向上を目指します。会場からは、比較的マイナーな機器も用いられているので、これからアーキテクチャを詳細化するにあたっては注意深く検討したほうがよいなどのアドバイスが贈られました。


つぎに発表したGFBのテーマは「スマートフォンを用いた教育現場の支援」です。彼らは、学習への理解を深めるにはピアサポート(生徒同士の教えあい)が大切で、その推進には相性のよい生徒の組み合わせがカギとなると考え、中高生をおもな対象として、教えあう生徒同士をマッチングするスマートフォンアプリを提唱しました。そのアプリは、ある問題を解けない生徒に対して、おたがいの性格を含めた相性を加味した上で、それを誰に教わるとよいかを指南します。この相性の評価には、教えてもらった後に「教えてもらってどうだったか?」と感想をたずねて、その結果を蓄積して使用します。また、教師専用に用意される画面では、解答状況の確認、ピアサポート開始指示、問題の登録などが行えるということです。会場からは、このユニークな取り組みを広く試行してみてほしい、利用者を増やすときはデータベースのスケーラビリティへの考慮が必須といったコメントが出ました。


3 ping teeの発表は「授業支援システム」がテーマです。彼らが所属する国際電子ビジネス専門学校では、ノートPCに組み込んだVirtualBox(仮想化基盤)で仮想サーバを動かしてLinux検定に向けた演習授業を行っています。しかしノートPCのスペック不足から仮想サーバはとても重く、また演習者自身が行わなければならない環境設定でミスが多発して、スムーズに演習を行える状況にないそうです。そこでこのチームは、学内の余剰サーバでOpenStackを稼動させ、そこに、仮想サーバの管理をはじめとした「演習を円滑に行うための仕組み」を構築することをテーマに選択しました。具体的には、簡単操作のデプロイ画面、生徒画面のモニタ、進捗状況や使用コマンドの確認、生徒ごとの進捗度管理、理解度の判定など、単なるOpenStackにはない機能を兼ね備え、演習に特化した仮想環境の構築を目指します。発表に対し会場からは、OpenStackから仮想マシンに介入するには工夫が必要など、技術的なアドバイスが伝えられました。


続いては「セキュリティ学習支援ツール」に挑むR2pチームが発表しました。R2pの2人が所属する国際電子ビジネス専門学校では、Hardening競技のためのシステムをすでに運用していますが、彼らは、もっと手軽にオフラインのPCでも競技の自習ができるシステムの実現を目指しています。具体的には、PCのなかに仮想化基盤を導入して、その上でサーバや攻撃元など必要なものを稼動させることで、ワンパッケージの扱いやすいHardening演習環境を実現します。有志が新しい演習問題や解説を追加できるようコンテンツの拡張性にも力を入れるということです。システムに使用する仮想化基盤の選定や演習環境の配布方法などはこれから検討を進めるとのことでした。発表に対して会場からは、現時点での完成度やこれから用意できそうな攻撃のバリエーションをたずねる質問や、新しい演習問題の作り方など、利用開始後に必要となる知見を蓄積するとよいといったアドバイスが贈られました。


ここで1時間の昼休みを挟み、後半の発表がつづきました。午後の一番手は「それ、仕様です。」チームです。テーマは「究極に動きたくない人による、究極に動かないための遠隔操作リモコン」。音声やアプリを使って家電製品を簡単に操作するリモコンを開発します。しかし、同様な製品はすでに市場に存在していて訴求力が弱いため、チームでは差別化の方向性として「提案するリモコン」を掲げました。提案するリモコンとは、たとえば室温上昇を検知したらリモコンが「エアコンをつけますか?」と人間にたずね、それに「はい」か「いいえ」で答えれば希望がかなうというものです。音声操作のウェイクワードを意識したり、文法を考えながら対話したりする必要はありません。すでに、音声入出力、照度センサや温度センサの値取得、赤外線リモコンの制御、温度センサと音声入力の連携などが実現できており、今後は音声認識の精度向上や臭気センサの追加などを行うとのことでした。かなり先行する印象の発表でしたが、会場から「提案するリモコン」の既存品があることが明かされ、チームとしてさらに差別化の方向性を模索することになりました。


チーム世界征服のテーマは「受発注精度高度化システム」です。彼らによると、日本では1年に消費する食料の2割にあたる1800万トンもの食品が廃棄されているそうです。それを憂う彼らは、コンビニの商品発注精度を向上するシステムを開発することで、この社会問題の解決に貢献しようと考えました。想定利用者はコンビニの仕入れ担当者です。システムは、店舗のPOSシステムから収集した売り上げデータ、天気予報、イベント情報、地理情報などを基に、仕入れ担当者に対して、品目ごとの最適な仕入れ数をサジェストします。購買予測のエンジンには、時系列データに強いLSTM(Long short-term memory)と呼ばれるニューラルネットワークを用いられます。いまはまだピーク予想のずれなどが起きていて調整は不十分なものの、購買予測の第一歩として、目下、売上総額の予測に取り組んでいるそうです。会場からは、株式のロウソク足グラフのようにリスクを含めた見せ方をしてはどうか、仕入れだけでなく収益の予想も出せたほうがよいなどのアドバイスが伝えられました。


続いて発表したチーム九産大Questは、「ルータ設定大規模実習環境 自動構築システムの開発」をテーマに挙げました。このテーマでは、仮想ルータ(VyOS)を用いた静的経路制御の演習を、大人数の学生が同時に行える環境の構築を目指します。チームではすでに、実習環境の自動構築と、ルータ設定実習を行う機能は実現しており、今後、これを最大で25グループ(4人1グループとして100人)が同時に実習できるよう大規模化するそうです。大規模化にあたっては、サーバのリソース不足や、実習ネットワーク間のアイソレーション不足などが懸念されましたが、前者はサーバ更改やOOLサーバの借用で、後者はDockerコンテナIDなど連想しづらい識別子の使用で、それぞれ解決の方向性は見えているということです。会場からは、せっかくVyOSを使うのだから静的経路制御だけでなくBGPなどによる動的経路制御の演習も行えるようトライしてみてほしいとの励ましや、システムに使用するOpen vSwitchをさらに減らしてリソース消費を抑えるための技術的アドバイスが贈られました。


この日最後の発表はpwdチームが務めました。タイトルは「情報共有・蓄積ツール(仮)」です。彼らは、大量の情報が日々生成され、それが様々な媒体やオンラインサービスに離散して保存される現代においては、情報の発見が非常に難しくなっていると考えました。そこでその打開策として、情報を1カ所に集約でき、必要な情報をすぐに探し出せる、新しいツールの開発に挑戦することにしました。いま開発中のそのツールでは、Web、メール、SNS(TwitterやLINEほか)、チャット(Slackほか)などで発生した情報を、それぞれのAPI経由でクラウドに保存し、それらが横断的に検索できるようになるそうです。このようなシステムは、企業における業務の引継ぎや新人教育で威力を発揮すると彼らは見ています。会場からは、曖昧さを内包する会話から情報を拾い出す手法、暗号化の有無、ローカルディスクや共有サーバに保存された情報の取り扱いなどをたずねる質問が出ました。



すべてのチームの発表が終わると、審査員は別室に移動して審査に入りました。また発表会場では、さくらインターネット株式会社および東日本電信電話株式会社(以下、NTT東日本)による協賛セッションが始まり、両社の業務内容やサービス開発裏話に触れながら、参加者たちはそれぞれの会社や業界について理解を深めました。


講演するさくらインターネットの鷲北氏

NTT東日本の玉田氏

またこれに続いて、昨年度OBの𠮷田 朋広さん(神戸情報大学院大学)が本育成プログラムでの経験や参加するなかで得たことや、本プログラムで発表したプロジェクトが未踏IT人材発掘・育成事業に採択され、現在も開発中である経験などを語り、参加者たちは先輩の貴重な経験談に耳を傾けました。

昨年度OBの𠮷田 朋広さん(神戸情報大学院大学)

- 惜しみない努力をねぎらってトロピカルビーチで楽しくBBQ!


全力を出し尽くした後は、いよいよお楽しみのバーベキュータイムです。ミニプロコンに携わったすべての人がトロピカルビーチのバーベキューハウスに移動して、黄昏色に輝く沖縄の夕日を眺めながらの楽しいひとときが始まりました。


まずは、この日まで努力を重ねてきた参加者と、彼らを熱く指導してきたメンターおよびアドバイザーと、それを陰から支えてきた関係者の、この全員の努力をねぎらって乾杯!そして、それを合図に各バーベキューテーブルへ肉と野菜が投入され、食欲を強烈に刺激するよい匂いがあちこちから漂い始めました。すっかり肩の荷が下りた参加者たちは、バーベキューを楽しみながら、みんなリラックスした表情をしています。


実は、この日はあいにくの不安定なお天気で、本当にビーチでバーベキューができるのか、関係者さえ疑問視していました。しかし、参加者たちをバーベキューでねぎらいたいと思う気持ちが通じたのか、午後になっても降り続いていた雨は夕方近くに上がり、バーベキューをスタートする時間にはきれいな夕日を拝めるほどのお天気になりました。



各人の胃袋が満たされて、わいわいと大きな盛り上がりを見せていた会場がすこし落ち着き始めたのを見計らい、ミニプロコンの順位発表と表彰式が行われました。厳正な審査の結果、順位はつぎのとおりとなりました。


1位  チーム世界征服(NECネッツエスアイ株式会社/三木 俊介、長谷川 俊夫)

2位  pwd(NTTコム・NTTコムエンジ/能登 拓也、石井 佑樹、吾藤 秀亮)

3位  Maki(神戸情報大学院大学/R. Nirinarisantatra)

4位  3 ping tee(国際電子ビジネス専門学校/多和田 鶴稀、宮城 達也、安次富 諒)

5位  それ、仕様です。(琉球大学/玉榮 宏祐樹、大城 輪子、小嶺 愛紀菜)

6位  琉大GFB(琉球大学/与那嶺 東、亀沢 佑一、松田 意仁)

7位  R2p(国際電子ビジネス専門学校/當間 崇智、北川 優尚)

8位  チーム九産大Quest(九州産業大学/本田 遼也、加納 槙之佑、大平 剛)


今回のミニプロコンでは上位6チームに副賞が用意されていましたが、なんと1位と2位を獲得した社会人チームがその副賞を学生チームにゆずることを英断!それに伴って、この日、すべての副賞は学生で作る6チームに手渡されました。

3位を獲得した« Maki »チームと プレゼンターの横山氏(右)

4位の3 ping teeチームと プレゼンターの森藤氏(右)

1位を獲得したチーム世界征服

第2位を獲得したチームpwd




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